ワンちゃんが餌を食べてくれないのはなぜ?5つの原因と対応方法

こんにちは。筋トレ大好き獣医師の百合雅です。
今日から、豆柴を飼っている方のお悩みや不安を少しでも解決したいと思い、ブログを始めました。

第1弾は“なかなか餌を食べてくれない”というお悩みについてです。
わんちゃんを飼ったことのある方なら、1度は悩んだことがあるかもしれませんね。

今回は、皆さんと一緒にその原因や対応策、わんちゃんにとっての食事について考えていきたいと思います。

餌を食べてくれない原因

では、なぜわんちゃんがなかなか餌を食べてくれなくなると思いますか?

例えば、以下のようなことが考えられます。

  • おやつや人間食ばかり与えている。
  • フードが好みではない。
  • 幼少期から小食である。
  • ストレスを感じている
  • 病気や何らかの不調がある。

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

おやつや人間食ばかり与えている。

骨の形をした犬のための幸福なおやつ

こう言われて、ドキッとした飼い主さんもおられるのではないでしょうか。

美味しいおやつに飛びついてくるわんちゃんの姿が可愛くて何度も与えたり、自分が食事している時に寄ってくるわんちゃんについつい人間食をあげてしまったり・・・。

そんな習慣が、フードを食べてくれなくなる一因になっているかもしれません。

そもそもわんちゃんにとっておやつとはご褒美です。言うことを聞いたときや、しつけがうまくいった時などに与えますよね。

だからその域を超えておやつを与えてしまうと、フードを食べなければおやつをもらえると思ってフードを食べなくなります

また、人間食をわんちゃんに与えると、フードより人間食に興味を持ってしまい、フードを食べないどころか人間食でないと食べないわんちゃんになってしまうのです。

では、おやつは必要なのか? という疑問がわくと思いますが、人間食をあげるくらいなら動物用おやつを1個ドッグフードを数粒与えるのがいいと思います。

おやつは決して悪いものではないですが、ドッグフード+αおやつということを忘れずに、適切なタイミングや量を守って与えましょう。

ドッグフードが好みではない。

ドッグフード

人間と同じで、わんちゃんにも好みがあります。

特にわんちゃんは嗅覚が優れていますので、好みでない臭いがあるとフードも食べないということも、起きてしまいます。

また、わんちゃんは毎日同じ食事でも、飽きがすぐくることはありません。しかし、飽きがこない工夫として、2種類ぐらいのフードをローテーションさせてみるのもいいですね。

しかし、ここで気をつけなければいけないのが、飼い主さんが飽きたのかもと判断していろんなフードを与えてしまうことです。わんちゃんは、このフードでなくても次がある、と学習してしまいます。

そうすると、フードを食べないからおやつばかりを与えてしまう食事に、自動的にスイッチしてしまうことにつながります。

ほとんどのわんちゃんは、おなかが空けばフードを食べます。何も食べないからといって何でもかんでもあげてしまうのではなく、飼い主さんも時にはじっと耐えて、わんちゃんがフードを食べてくれるのを見守るのも大切です。

幼少期から小食である。

大型犬より、豆柴のような小型犬にはよくみられます。

産まれてきた時に体格が小さかったり、母乳の吸いがいまいちだったりと、いろいろな要因が考えられます。

しかし、小食だからといってほとんど食べなくて良いわけではなく、高栄養食を少しでも多くとるように心掛けてみましょう

手間はかかりますが、手作り食に変更してみるのも良い方法です。

ストレスを感じている。

わんちゃんもストレスを感じます。引っ越し等で環境が変わった、周囲で工事をしていて騒音がある、いつもお世話してくれていた人がいなくなってしまったなど、ストレスの原因は様々あります。

しかし、わんちゃんが喜ぶことをたくさん経験させてあげることで、そのストレスも軽減していきます。飼い主さんはわんちゃん達としっかり向き合い、日々のストレスを少しでもなくしてあげられるような関わりが大切になりますね。

病気やなんらかの不調がある。

フードを食べてくれない原因として、病気や不調が隠されていることを忘れてはいけません。自宅でも判断できることからチェックしてみましょう。

  • 嘔吐、下痢がある
  • 散歩に行っても覇気がない
  • 咳の回数が増えた
  • 寝ていることが多い
  • たくさん水を飲むようになった
  • 身体に触れると痛みがある
  • 口や耳の中がいつもと違う
  • でき物ができている

いつもと違う症状があるのであれば、すぐに動物病院で診察をしてもらいましょう。

わんちゃんの側にいる飼い主さんだからこそ、日頃からたくさんコミュニケーションをとって、ささいな変化や病気のサインを見落とさないことも大事です

ドッグフードの選び方

ドッグフードいろいろ

フード選びは、今後の健康にも関わってくるほど大事になります。

健康な動物であれば、高タンパク質低脂質のフードを選びましょう。
裏の表示を見て、原材料の一番目にタンパク源が入っているのがポイントです。

タンパク質というのは、身体の細胞のもとになる栄養素です。

タンパク質が多く入っていると、1kgあたりの値段は高くなりますが、高品質なタンパク質の摂取は健康維持のためにとても大事なのです。

飼い主さんの中には、ササミなどのお肉を与えている方もおられると思いますが、わんちゃんにアレルギーがない限り大賛成です。

筋トレをしている私も、ササミや胸肉を食べるように心掛けていますが、わんちゃんにとっても高タンパク質な食事になり、毛艶がよくなったり、筋肉質に育つことにつながります。また、フードに混ぜてササミなどのお肉を与えると、ヘルシーで満足感のある食事になると思います。

わんちゃんの成長に応じた食事

幼犬(~6、7ヶ月齢)

小さい身体ながらエネルギー消費量が大きい

  • 高栄養なパピーフード
  • 4、5回食に分けることで満足感UP、低血糖予防
成犬(~8歳)

パピーフードから成犬のフードに切り替えが必要
※パピーフードは美味しいですが、カロリーが高いため、成犬になっても与え続けてしまうと肥満の原因になります。

老犬(8歳~)

健康であればシニアフードが基本

フードの切り換えは、今まで与えていたフードと新しいフード混ぜながら、徐々に切り替えていくと成功しやすいです。

朝から甘えん坊な大福くん❣️
ご飯食べさせてもらってます😆💖

食事は、私たち人間にとってもわんちゃん達にとっても、身体をつくる源になります。
賢く選んで、わんちゃん達の健康を守っていきましょう。

この記事を書いた人

百合 雅

(ゆり まさし)

<経歴>
麻布大学獣医学部獣医学科卒業
保田動物病院(横浜)高度救命救急センター勤務
百合動物病院勤務・院長